アジリティー・ワンポイント

ドッグスポーツ北海道’99アジリティーセミナーから


サークルを大きくしたい犬のレッスン


コンタクトゾーンを確実に
踏むよう教えていく

アジリティー初歩のレッスン

 訓練競技会が進行するなか18日(日)午前中には、アジリティーセミナー/入門コースも恵庭陸上競技場において開催されました。地元・北海道のドッグスポーツプレーヤーはもとより、九州・関西・四国からも見学・実技参加があり、これから『愛犬と一緒にアジリティーを楽しみたい』と、思っているドッグスポーツファンシャーが、真剣な表情で講習内容に聞き入っていました。講師は大庭俊幸氏(福岡アペックス)。
「例えば練習で、犬がトンネルに入らないから、トンネルや狭いところが嫌いなようだから仕方がないと思い込んで、途中で諦めてしまうと、これではいつまで経っても絶対に、犬はトンネルができるようになりません。アジリティーに限らず日常の生活でも人と犬が上手くやっていくためには、犬との間には主従関係の確立が大切です。犬に一度『しなさい』と、言ったことは絶対させなければなりません。ちゃんとできたなら、しっかり褒めてやります。そうすることでこの関係が強化されていきます。つまりここで、トンネルができないことを許してしまう行為は、アジリティーだけの問題に留まらないのです。アジリティーを通しての練習が、普段の生活すべてに大きく影響してくるのです。やらなくても大丈夫だということを学習した犬は、どんどん我が儘になっていく可能性があります。ですから、アジリティーの練習と普段の生活は違うものだとは考えないで、日常の生活でもこの練習の成果がプラスになるように取り組んでください。

 逆に、どう考えてもできない状況では無理強いするべきではありません。そのようなことをするリーダー(飼い主)は良いリーダーとはいえませんし、できないから途中で諦めて止めるということなら、最初からさせるべきではありません。始めたならば、レベルを下げたり、補助やサポーターをつけるほか、誰かに手伝ってもらうようにしたりして、必ず成功させてください。難しく考えている人がいるかも知れませんが、アジリティー個々の障害をクリアさせることを学習させることは、それ程難しいことではありません。

 この一つひとつの障害ができるようになった段階は野球でいえば、キャッチボールができるようになった段階なのです。つまり、キャッチボールができない人が、野球の試合を楽しめないようなものです。この各障害をできるようになったところから、ドッグスポーツ/アジリティーは始まるのです。アジリティーは犬のスポーツであるとともに、コントロール・テクニックがものをいう人のスポーツでもあるのです。犬と調和しつつサイドをチェンジしたり、コースを攻略していく人/プレーヤーのための戦略性にとんだドッグスポーツということができます。今日は基本的なハンドリングや個々の障害について、プレーヤーごとの課題に沿って、レッスンしていきたいと思います。

 私の場合コース攻略のためのコマンドは、ゴーオン(前へ)・ヒール(ハンドラーを中心に時計回り/右旋回)・ディス(ハンドラーを中心に時計の逆回り/左旋回)を使っています。最初は犬にできなくても何度も繰り返していくことで、犬が言葉の意味を理解していきます。犬の名前を呼んだり、『コイ』などのコマンドを多用したり、バラバラなコマンドで一貫性のない練習をしていると、犬はいつまでたってもこの基本的なことを覚えてくれません。様々な戦略性にとんだコースを攻略していくためには、コマンド・ハンドシグナル・ボディーランゲジの三位一体ともいえる習得・習熟が必須テクニックとなります」


(この内容は愛犬ジャーナル1999年9月号に掲載された内容の一部です)


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