ジャパンファイナル2002に、
ゲストとして来日したマーク・モルナーさんと、エルドン・マッキンタイアさんに、
10月27日にインタビュー

モルナーさんのグリップ(内側)
Q:アメリカで犬のしつけ教室を開いているそうですが・・・。
「いいえ、犬のしつけ教室とは、少し違います。犬とどのように接したら、楽しく暮らすことができるか、叱りつけたり、押さえつけたりしないで、犬の意欲を引き出し、犬が競技をやる気になるようなやり方を教えています。犬が上手くできないからといって、犬を叱りつけたりすれば、犬は萎縮するばかりで、競技をやろうという気になりません。プレーヤーがが楽しんでやれば、犬も競技をやりたくなりたくなってくる・・・ということですね」
Q:そのように犬が楽しくフリスビー競技をやってくれるように、モチベーションを高めるにはどうしたら、良いでしょうか。
「犬のモチベーションの高め方とか、コミニュケーションの取り方は、犬の性格、日常の生活環境やプレーヤーと犬の関係がどの程度できているかなど、色々な条件が絡んできますから、一概にこうすれば良いとは、言い切れません。これは、フリスビー・ドッグに限らず非常に大切なことですが、犬によって違いますから、ここで簡単な言葉で一つの答えを示すことはできませんね」
Q:フリスビー・ドッグに向いている子犬を見分けるには、どんな点に注意したら良いのでしょうか。
「子犬同士で遊んでいるときに、活発に動き回っているかどうかとか、フレンドリーな性格かなど色々ありますが、そうした観察力や知識を養い、経験を積む必要がありますね」
Q:犬と一緒にフリスビーの練習をやるときに、練習時間なんかはどれくらいを目途にしたら良いのでしょうか。
「(私の犬の)クリケットの場合は、全く飽きない子だったので、いくらでも一緒にやりたがりました。でも、犬と人とはひとつのチームですから、その犬の状態を見ながら練習量は考えなければなりません。練習は犬がもっとやりたいと思っていても、犬が満足する一歩手前で切り上げることが大切です。フリスビーで遊ぶことに、十分満足してしまうような練習を続けていると、犬の意欲が明日に続かなくなってきます」

Q:モルナーさんにフリスビーのことを、お聞きしたいのですが、グリップはどんな握り方をしていますか。
「普通はこのように、親指を外の滑り止めに添え、残る4本の指を揃えてエッジの内側を握っています。これはロング・スローの場合の握り方です。ショート・スローの場合は、指先を少しゆるめて、人差し指を少し離して握っています。大体40から50メートルの距離がショート・スローです」
Q:初心者の場合、上手くスナップが使えないとか、スローイングの練習をしていたら、ヒジが痛くなったとか、いうような話を聞くことがありますが、スナップをマスターする効果的なやり方はありますか。
「言葉で説明するのは難しいですね。スナップは、上手く使えるようになるまで、根気よく練習するしかありません。私も無理をしてヒジを痛めたことがありますが、もしそうなったら、スポーツテーピングとか塗り薬もありますから、そうしたケアを考えて、練習に取り組んで欲しいと思います。フリスビー・ドッグは正しい身体の動きをしていれば、何もそうした問題の起きない楽しいスポーツなんです」
Q:一般のプレーヤーがレベルアップしたいと思ったときに、例えば、スローイングのときの肩の回し方とか、スローイングではどんなところに注意点したら良いのでしょうか。
「そうですね、言葉であれこれ説明しても分かりにくいでしょうから、実際に一回投げてもらいながら話したいと思います。(スローイングはJFA千葉支部の丸山律子さんに手伝って頂きました)まず、投げる方向には何か目標を定め、スタンスは肩幅くらいにして、胸が投げたい方向に直角で、スタンスも真っ直ぐ向くように立ちます。フリスビーをグリップしたときに、手首は手のひらの側に軽く折るようにして、スナップがシンプルに使えるようにします。腕は縮こまらないように軽く伸ばして、無駄な力がどこかに掛からないように、ゆったりと構えます。そうしてから、アドレスに入る前に決めた目印のポイントに向かってスローイングしてみてください。
 今、2枚のフリスビーを投げてもらいましたが、2投とも大変良いスローイングでしたね。あとは、話しているようなチェックポイトに注意して、忍耐強く練習を積んでいけば、必ず上手に投げられるようになります」
Q:ディスタンス競技でロング・スローをするときに、大リーグの野茂投手のように身体を使って片足を上げ、大きなバックスイングから腕を振り、スイング・スピードを上げるというやり方はどうでしょうか。軸のブレが少なくてフリスビーのコントロールが利きそうに思うんですが・・・。
「(アドレスの状態から、左足を右足踵方向から前方へ、右足・・・と動かして)フリスビーでは、このようなステップを踏みますから、そうした動作はしません。フリスビーをより遠くへ投げたいときは、ステップを取り入れた方が良いでしょう。下半身に余分な力が入らないように注意し、ステップは軽やかなリズムで踏めるようにします。力を入れるのはスローのときで、体重を後ろ足に残さないで、前足に移動しきるように投げれば、より距離もでます」
 

上から見たところ

フォロースルー

Q&A?
 マーク・モルナー氏は世界でもトップレベルの遠距離選手です。一般のフリスビー・スローでは、198メートルの記録を保持し、この記録を破っている選手は現在、世界に7名しかいません。競技で公認されているモルナー氏の遠距離上位3記録は、198メートル・195メートル・192メートルとなっています。

 エルドン・マッキンタイア氏は、ここ30年間フリスビードッグ競技に関するあらゆる方面に携わってきました。マッキンタイア氏は米国フリスビードッグの創始者の一人であり、また犬の在宅管理に関しては、成功例となる訓練方法を開拓したことで知られています。「楽しくやれば、愛犬も競技をしたがるもの」という理念に基づくマッキンタイア氏の取り組みは、思いやりがあって楽しい方法であることが世界中に実証されています。


ドッグスポーツ・ガイドTOPへ

TOPへ